以前公開した CS部リーダー 加藤監修!メール到達率の解説記事 は、
ご参考にしていただけているでしょうか?
上の記事では、届くメールにするための8つの鉄則や、
メールの中身の書き方のポイントなどを解説しましたね。
今回は、そんなメール到達率の話から発展して、
iCloudのメールアドレスにメルマガが届かない!という
お悩みについて、メルマガ配信者目線で解説をしたいと思います。
今回も、メール到達率のエキスパートである加藤監修のもと、解説していきます^^
登場人物の紹介
加トちゃん
カスタマーサービス部・マーケティング部統括リーダー。
システムエンジニアの経歴を持ち、メール到達率にも精通している。ユーザー交流会やマイスピーについて語った、突撃インタビュー掲載中。
「icloud.com」や「mac.com」、「me.com」のメアドにはメルマガが届きにくい?!
「読者登録したのに、一向にメルマガが届きません」
という連絡を読者さんから受けたあなた。
登録されたメールアドレスを確認してみると、
「@icloud.com」のドメインのメールアドレスのよう。
メールアドレス自体に打ち間違いはないみたいだし、
どうやら、Apple系のメールアドレスにはメールが届きにくい何かがあるみたい…
Apple系のメールアドレスにメルマガが届きにくいのは一体どうしてなのでしょうか??
そもそも「iCloudメール」とは?
iCloud(アイクラウド)はAppleが提供しているクラウドサービスです。
その中の無料メールサービスとして「iCloudメール」があり、
そこでiCloudメールアドレスを取得することができます。
Appleのメールアカウントを作成した時期によって、
ドメインが「@mac.com」「@me.com」、もしくは「@icloud.com」のいずれか
になっているiCloudメールアドレスが発行されます。
2012年9月19日以降にiCloudアカウントを作成した場合、
メールアドレスの末尾は「@icloud.com」となります。
「@mac.com」や「@me.com」のメールアドレスは、
iCloudの前身のインターネットサービス(iToolsや.Mac、MobileMe)を利用していた方のみ、
取得できるメールアドレスなので現在は取得しようと思っても取得できないようです。
(ちょっとレアなドメインということですね)
事実、iCloudメールアドレスへ配信するメルマガは非常に届きにくい
さて、そんなiCloudメールアドレス(icloud.com、mac.com、me.com)へ配信する
メルマガが非常に届きにくいというのは、残念ながら事実です。
なぜなら、
iCloudのメールサーバーにはApple独自の迷惑メール判定ルールが
あるということに加え、スパム防止サービスのブラックリストに
登録されることでもメールが届かなくなるから
なんです。
詳しく解説していきますね。
上記は、iCloudのメールソフトにメールが届かなかった場合のイメージ図です。
メールがiCloudのメールサーバーに届いた時点で迷惑メールか否かの判定を受けます。
ここで、基本的なメール配信の仕組みを説明しておきましょう。
送信者から配信されたメールはインターネットを経由して
「送信者メールサーバー」から「受信者メールサーバー」に送られます。
その際、受信者メールサーバー側の迷惑メールフィルターに引っかからなかったメールだけが
受信者メールボックスに届くことになります。
受信者メールボックスに届いたメールは、その後、受信者のメールソフトに送られますが、
メールソフトで設定されている迷惑メールフィルターに引っかかってしまったメールは
「迷惑メールフォルダ」に振り分けられます。
メールソフトの迷惑メールフィルターにも引っかからなかったメールだけが
受信フォルダに無事届くわけですね。
受信者メールサーバー側の迷惑メールフィルターの判定基準の1つとして、
Spamhaus、Proofpointなどといった「スパム防止サービス」のブラックリストに
登録されているかどうか、というものがあります。
GmailやYahoo!メールなどのフリーメールの場合は、
そのブラックリストに登録されたということだけでメールが届かないということは少ないです。
(メールソフトまで届いた後、「迷惑メールフォルダ」に振り分けられることはあります)
しかしながら、iCloudメールの場合は
iCloudメールサーバーの迷惑メール判定要素の1つとして、
「スパム防止サービス」のブラックリストに登録されていることがあるため、
ブラックリストに登録されてしまっているメールアドレスのメールは漏れなく弾かれ、
配信エラーになってしまいます。
加えてiCloudメールには、Apple独自の迷惑メール判定基準である
「Appleのローカルポリシー」というものが存在します。
このローカルポリシーに違反していると判断されてしまうと、
これもまた配信エラーになってしまいます。
つまり、
- Spamhaus、Proofpointなどのスパム防止サービスのブラックリストに登録されている
- Appleのローカルポリシー違反
上記のどちらか1つに当てはまってしまっていると、
iCloudメール宛のメールは届かなくなってしまいます。
これが、iCloudメールアドレスへ配信するメルマガは非常に届きにくい
と言われる理由なんです…。
できる対策は?
では、メルマガ読者の中にiCloudのメールアドレスで読者登録している方々が
少なからずいらっしゃる場合、一体どんな対策があるのでしょうか?
まずは!送信者としてできる対策
1 スパム防止サービスのブラックリストに登録されないようにする
まずは、Spamhaus、Proofpointなどのスパム防止サービスのブラックリスト
に登録されないようにすることです。
それには、以下の点に気をつける必要があります。
●トラップメールアドレスにメールを送らない
トラップメールアドレスは、スパム防止サービスがスパムメール(迷惑メール)送信者を特定するために用意しているメールアドレスです。
外部サービスからリストを購入すると混入していることがあるため、登録元がはっきりしているリストだけを使うようにしましょう。
また、以前は有効だったメールアドレスがトラップメールアドレスとして使われている可能性もあるため、数年以上前のリストやしばらく配信していないリストなど、過去オプトインをとったリストにメールを送る際にも十分注意する必要があります。
大切なのは、オプトインが取れているメールアドレスにのみメールを送ること。
そして情報が古くなる前に定期的にオプトインを取ってリストをきれいに保つことです。
●迷惑メール配信サーバーだと判断されないようにする
存在しない、届かないメールアドレスにメールを送り続けることはやめましょう。スパム防止サービスに学習され、配信サーバーのドメイン・IPアドレスがブラックリストに登録されてしまう恐れがあります。
また、存在しないメールアドレスを差出人メールアドレスに使用することもスパムメールと判断されてしまう原因となりますから、やめましょう。差出人メールアドレスにはSPF設定を済ませたメールアドレスを使用し、なりすましだと怪しまれないことが重要です。
●短期間に大量のメールを送らない
短期間に大量のメールを送ることでロボット配信だと勘違いされ、スパムメール扱いされてしまうことがあります。
●読者に迷惑メールとして通報されない
メールを受け取った読者さんに、スパム防止サービスに対して迷惑メール通報されてしまうこともNGです。メルマガを送るときには、メルマガ配信の経緯説明と解除リンクを設置しておき、迷惑メール通報をされるよりも簡単に配信解除できるようにメール上で促すことが大切です。
これは1つの例ですが、メールの末尾だけでなく冒頭にも
下記のような記載をしておくと良いでしょう。
———————————
このメールは「(メルマガ名)」ご購読の際に
登録いただいた方に配信しております。
ご不要の方は
下記のURLから配信解除をお願いいたします。
%cancelurl%
———————————
2 Appleのローカルポリシー違反にならないようなメールの送り方をする
Appleのローカルポリシーは、具体的には下記サイトに記載されています(外部サイト)。
上記に書かれている迷惑メール判定要素については、下記ブログの「届く」メールにするための8つの鉄則と書き方のポイントを守っていただくことでカバーできるはずです。
- オプトインの取れたリストを使用している
- 特にスパムメールと思われるような配信の仕方をしていない
- 他のメールは配信エラーにならなかったのに、特定のメールだけが配信エラーになる
上記のような状況の場合、
“メールの内容” がAppleのローカルポリシーに引っ掛かっている可能性もあります。
メール本文にURLやドメインを含めると迷惑判定されやすい傾向にあるため、
記載するURLの数をなるべく減らしてみると届くようになることもあります。
また、スパムメールでよく使われているようなワード(「今だけ無料!!」「今すぐ登録」など)は
なるべく避けるなど、メール本文についても見直しをしてみましょう。
メール本文内で原因となる部分の見当がつかない場合は、実際にiCloudのメールアドレスを取得して、
そのメールアドレスに送信テストしてみることも対処法の1つです。
配信エラーになったメール本文をある程度のブロックに分けてテスト送信することで、
エラーの原因となった文章や単語を類推することができますよ。
上記ブログには、こういった「メールの書き方のポイント」についても解説しています。
是非参考にしてくださいね。
スパム防止サービスのブラックリストに登録されてしまった場合の解除方法
スパム防止サービスのブラックリストに登録されることを避けるため、
上で説明したことを守っていただくことは非常に重要です。
ところが、ブラックリストへの登録判定は少々不明瞭なところもあり、
例えば、IPアドレス帯で一括登録されてしまったり、
過去に迷惑メール判定したサーバーのドメインと似ているというだけで
登録されてしまうことも、なかにはあります。
さらに、配信実績のないドメインからのメールの配信を見つけると、
そのドメインが登録されてしまうこともあるんです…。
ですが安心してください。
ブラックリストに登録されない対策を行ったうえで、
それでもスパム防止サービスのブラックリストに登録されてしまっている可能性を感じた場合は、
スパム防止サービスに解除申請を行うことで解除することができます。
下記マニュアルでは、代表的なスパム防止サービス「Spamhaus」、「Proofpoint」
のブラックリストに登録されてしまった場合のマイスピーでの確認方法と、
それぞれの解除申請の手順を説明しています。
ご自身で解除申請できますので、是非参考にしてくださいね!
ドメインやIPアドレスがブラックリストに登録されてしまった場合の対処方法
次に!読者さんに協力してもらう方法
さて、送信者としてできる対策を行い、なんとか読者さんのメールソフト(iCloudメール)に届いたとします。
それでも、iCloudメールソフトの迷惑メールフォルダに入ってしまう…ということがあるんです。
その場合は、読者さんに次のような協力をしてもらいましょう。
1 メルマガを迷惑メールフォルダから救済してもらう
iCloudメールの迷惑メールフォルダに入ってしまったメールの救済方法は、
Apple公式ウェブサイトのサポートページで案内されています。
対象の部分を抜粋しますね。
●iPhone、iPad、iPod touch では、「迷惑メール」フォルダのメッセージを開いて、画面の下部にある「フォルダに移動」ボタンをタップし、「受信」をタップしてメッセージを移動します。
●Mac では、「迷惑メール」フォルダでメッセージを選択し、メールのツールバーにある迷惑メールボタンをクリックします。または、メッセージをサイドバーの「受信」にドラッグします。
●iCloud.com では、サイドバーで「迷惑メール」フォルダをクリックします。メッセージを選択し、メッセージウインドウの上部にある「迷惑メールではない」をクリックします。または、メッセージをサイドバーの「受信」にドラッグします。
●ほかのメールクライアントについては、「迷惑メール」フォルダから受信ボックスにメッセージを移動します。
このように、メルマガを迷惑メールフォルダから救済することによって
同じ送信者から届いたメルマガは、次回から迷惑メールフォルダに振り分けられにくくなります。
※迷惑メールフォルダに入ってしまったメールは、30日後に自動的に削除されるため、
必要なメールが迷惑メールフォルダに入ってしまっていないか、定期的にチェック
してもらうようにしましょう。
2 メルマガの差出人アドレスを、[連絡先]に登録してもらう
iCloudメールには、受信拒否リストやセーフリストといった機能はありません。
ただ、メルマガの差出人アドレスを[連絡先]に登録してもらうことでも
受信フォルダにメールを届きやすくさせることができます。
3 iCloud以外のメールアドレスで登録してもらう
今回のテーマの結論のひとつとなっていまいますが、
一番手っ取り早いのは、iCloud以外のメールアドレスでメルマガ登録し直してもらうということです。
このあとにもご紹介しますが、
これから新規でメルマガ登録されるユーザーの方々に対しては、
メルマガ登録のフォーム付近などに
「iCloudメールアドレス以外のメールアドレスで登録されることを推奨します」
と案内をしておくのが良いでしょう。
メルマガ登録には、Gmailアドレスがおすすめ
ここまで読んでいただいた方はお分かりのとおり、
iCloudのメールアドレスにはメルマガが届きにくいという事実があるため、
読者登録してもらう際は、iCloudのメールアドレスでの登録は避けていただくのがベターです!
メルマガ登録を案内する場合は、そのことを読者さんに事前にお伝えしておいたほうが良いですから、
メルマガ登録フォームの付近には、Apple系メールアドレス(@icloud.com、@mac.com、@me.com)
での登録は控えていただくように案内を記載することをおすすめします。
マイスピーの無料メルマガ「MyASP通信」の登録フォームでも注意喚起をしております!
ご参考にしてくださいね。
なお、マイスピーがメルマガ登録に一番最適だと考えるフリーメールは、Gmailアドレスです。
Gmailアドレスがおすすめな理由は、明らかなスパムメールは別として、
受信者メールサーバーにすら届かず消えてしまう、ということが少ない点です。
しかしながら、Gmailにも厳しい迷惑メール判定基準はありますから、
怪しいメールがメールソフトに届いたら、もちろん迷惑メールフォルダに振り分けられてしまいます。
登録メルマガなど必要なメールの場合は、迷惑メールフォルダに入ってしまったメルマガを
救済(受信フォルダに移動)してもらうことで、それ以降は受信フォルダに入りやすくなります。
※ある日突然、また迷惑メールフォルダに入ってしまうということもありますが、
その際は同じように救済してあげる必要があります。
おわりに
参考になりましたでしょうか?
届けたいメルマガが届かない、欲しいメールが届かない という
お互いのストレスを解消するためにも、メルマガ登録するメールアドレスは気をつけたいものですね。
最終的には、メルマガの内容もさることながら
読者さんと友好な関係を築いておくことが1番だと思います。
不特定多数にメルマガを送るのではなく、
あなたからのメルマガが欲しい人だけにメールを送るようにすることで、
メールの到達率は良くなっていくはずですよ^^
マイスピーではこれからも、メルマガ配信に関する役立つ情報をブログ記事として
まとめて発信していきます!
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